浅羽道明の「『君たちはどう生きるか』集中講義」を
読んだ。
最近はネットの情報のコピペで作った日本の歴史本が
組織買いかネトウヨ買いで馬鹿売れしたり、
愚にもつかない道徳漫画『君たちはどう生きるか』が
爆売れしたりして、読者のリテラシー能力が崩壊状態
になっている。
浅羽氏によれば、『君たちはどう生きるか』は祖父母が
孫のランドセルを買ってやるように、大人が子供若者
に「読ませたい本」になったから爆売れしたらしい。
ところが原作の吉野源三郎の本は、あの漫画本のような
単純な作品ではないらしい。
『君たちはどう生きるか』は、治安維持法下で投獄され
て殺されたり、獄中で転向したり、革命を夢見た知識人
が沈黙を決め込み、転向していった時代には、厳しい
踏み絵のような寓話だったらしい。
本書の120pからは「よしりんは、『君たちはどう生きるか』
を徹底批判する!」と題して、わしの『ゴーマニズム宣言』
第12章がテキストとして使われている。
なかなか面白い分析で、いろいろ勉強になった。